心躍る書店

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出張の移動の合間の僅かな時間、三省堂書店名古屋本店さん(JR名古屋駅隣接・ゲートタワーモール内)に立ち寄った。

小一時間ほどしかなかったことに加えて、仕事の電話が断続的に鳴り響いていたこともあり、実際には、本当に少しの時間しか店頭を見ることができなかった。

けれど、その僅かな時間、久しぶりに、書店の店頭や棚に、心が躍った。

業務として密に本に向き合う時間が増えてから、私にとって書店は純粋な娯楽の場ではなくなってしまった。加えて、個性を感じない書店というものの存在にも、慣れてしまっていた。あちらの書店も、こちらの書店も、そしてそちらの書店も、平積み・面陳されている本はほとんど変わらない。おそらくは取次さんのプッシュに沿った陳列。端的に書店さんを批判する気など毛頭ないのだけれど、可能であれば同日に複数の書店を巡って本を探したいタイプの人間としては、やはり寂しいものがある。普段書店数の多くない田舎に暮らしている者としては、そいうった想いが募る事実から抜け出すことが出来ずにた。

そんな中で飛び込んだ三省堂書店名古屋本店さんは、一目見て、「本が好きな書店員さんがいる!」「本を本気で売ろうとしている書店員さんがいる!」と思わずにはいられない棚づくりをされていた。書店内を歩くことがすなわち楽しく、至る所で「寄り道」をして知らなかった本を手に取りページを捲ってみるという、本好きにとって極めてプリミティブな喜びを提供してくれるように感じられた。「本っておもしろい!」「本を読みたい!」「知らなかったけど魅力的な本がある!」といった、本好きとして極めて根源的な喜びを、思い出させてくれた。もう、感謝しかない。

生産性が高いなんて決して言えない中、情けないけれど、時間に追われてしまっている。そして、プライベートで本と向き合うことが少し億劫になっている。それでも、「本当は本が好きだったんだけどなぁ……」と思ってしまい、俯いてしまう。

そんな、勝手な小・堂々巡りの中で、「本気の書店員さんがつくる棚」に、心躍らされる。

それは、至高の喜びだ。

この記事を書いた人
鈴木 征浩

本とゲームと日本女子ソフトボールリーグとぬいぐるみが好きです。
株式会社opsol book 代表取締役。
出版プロデュースや編集業をやっています。
福祉医療系のお仕事も。

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